光を掴んだその先に。─After story─
「だから駄目だってばっ!下着可愛くないの…!!」
「気にしない。どうせ脱がせる」
「恥ずかしいこと言わないでよ…っ!」
「恥ずかしいなら昔を思い出せばいいだろ」
…昔…?
昔って、私が赤ちゃんで絃織がお世話してくれてたとき…?
毎日一緒にいて、おんぶも抱っこもしてくれて。
「っ…!昔とは違うでしょ…!さすがに成長してるっ!」
「なら見てやる。誰が毎日風呂に入れてオムツ───」
「言わないでっ…!バカっ!変態っ!!」
もう否定をしないその人。
「変態で結構」なんて開き直って、甘く甘く名前を呼んでくる。
「は、初めては…っ、かわいい下着がいいのっ!だから次会うときはそれ着るから…っ」
もう爆発しそうだ。
こんなことをこんなタイミングで言わなくちゃいけないなんて。
でも、もう待たせたくないし、私も待ちたくない。
あなたが迎えに来てくれるのを施設でずっとずっと待っていた小さな頃。
絵を描いて名前を呼んで泣いてた。
なぎ、なぎって言ってたんだって。
「だから次の、そのとき……、そういうコト……して、くれる…?」
ぎゅっと抱きついた。
顔を見られたくなくて、どんな反応してるかも怖くて。
すると熱い息がはあっと吐かれる。
「……それは俺を試してんのか煽ってんのかのどっちかじゃねえのか」
「ち、ちがうってば…っ」
「前倒しってのも───」
「話きいてた…!?」
次、会うとき。
それは、数日後に開催される懇親会だ。