光を掴んだその先に。─After story─




「絃、今日の放課後空けときなさいよー」


「なにかあるの?」


「合コン。数足りなくて入れといたからよっろしく~」


「あ、おっけー」



そう言って小学生からの同級生である明莉(あかり)と優花(ゆうか)は他の教室へと。


数学の授業は出来の良い者、悪い者とクラスが分かれる仕様になっていて。

もちろん私は言うまでもなく出来が悪いほうのクラスだ。


どちらかというと文系な私は理系はサッパリ、赤点を採ってしまった記録さえもある。

まぁ自慢気に言うことじゃないんだけども。



「えっ、はっ!?合コン!?!?」



ぜんぜんおっけーじゃなぁぁいっっ!!
それにすでに2人共消えてるし…!

なにを私は当たり前のように返事してんの!


確かに高校3年生となってテストばかりの日々、帰りも早いからって遊び呆ける生徒がいるって先生も言ってたけど…。


私の場合はいろんな意味で駄目だってのにっ!!



「たまには羽伸ばさなきゃでしょ?あたしたち専門だからそこまで勉強どうこうじゃないし」


「そうそう。それに絃だってさすがに高3なんだし、彼氏作りなよー」



……言えない。

彼氏います。
それもあのみんな大好きイケメン執事です。

なんて言えるわけがない…。



「それに私、迎えが来るし…!」


「さいきん来ないじゃん」



そう、天鬼組はあれからいろいろと体制が変わって、みんな忙しそうな毎日で。

当分は私も勉強があるからと、呼んだ日のみに来てもらう仕様になっていた。


だからこそ黒髪スーツイケメンとゆるふわパーマイケメンに会えない2人は、こうして不貞腐れてるのだ。



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