光を掴んだその先に。─After story─
「ねぇ外にすっごく格好いい人が来てるって…!!」
「えっ、なに芸能人!?」
「わかんないけどみんな騒いでるっぽい!!」
あぁ、ほら……もうこれだ。
結局こうなる。
結局こーーなるっ!!!
「だから来てほしくなかったのに……」
なんて気持ちの正体は醜い嫉妬。
他校の女の子たちも来てるし、私より可愛い子なんかわんさかいて。
ミスコンに出場する生徒はとっても綺麗なドレスアップをして校内を歩いていたり。
「わぁ、絃ちゃんのクラスってメイドカフェ?」
「きゃぁぁぁぁ~~~!!!」
「……うるせえ」
「きゃぁぁぁぁーーーーっ!!!」
とうとう奴らは来てしまったらしい。
ドアの前に揃った2人の男の姿に、クラスメイトの女子も客として来ていた他校の女の子たちも、他クラスの子も。
歓声という歓声がドバーーッと。
「絃っ!あんた何してんの!ほら来たよイケメン執事っ!」
「わっ!もう押さないでよ優花…!」
ぐいぐいと背中を押されて、私服姿の珍しい彼の前へ。
うわ……格好いい。
私がいちばん見慣れているはずなのに、スーツじゃないところも似合ってしまう。
「絃織さんってば張り切っちゃって」
「違う、思ったより時間が余ったんだよ」
「下っぱに放り投げといてよく言えたねぇ」
あ、やっぱりサボったんだこの人…。
薄いカラーワイシャツに黒いベスト姿、そこから覗く同じ指輪。
余裕あるジーンズに紳士靴を合わせてカジュアルかつビシッと。
格好いい……。なんだこれ…。
なんでこんなに様になってしまうのズルい。