光を掴んだその先に。─After story─




目立たない場所だけど、重いドアの先からは微かに賑やかな生徒たちの声が聞こえる。

そんなドキドキがもっと違うドキドキを生んでくれちゃう。


ちゅっ、ちゅっと弾けるように響く音。



「…声、我慢できるか」


「むりっ、むりだよ…!むりむりっ!」


「なら我慢しなくていい。聞かせてやれ」



えっ、そーなるの…!?

それにまだ休憩時間じゃないから教室に戻らなくちゃいけないのに…!



「つうか、メイドってことすら聞いてないんだが」


「あ…、それは……、」


「…他の男に見せてんじゃねえよ」


「んん…っ!」



この人は意外にも独占欲が強いってこと。

それは私も同じだからどこか分かるような気もする。


こんなにも格好いい姿を他の女の子たちに見せたくない。

明莉や優花だとしても楽しそうに話しちゃ嫌だ、なんて。



「い、絃織、…この格好……似合ってない…?」



ピタッと止まって、ゆっくり見つめてくれる。

愛情深い眼差しで優しく髪を撫でてくれて。


「んなわけねえだろ」なんて、声に出してくれなくても感じ取れてしまうくらいに。



「…ぶち犯してえ」


「………え…!?」


「…間違えた。すげえかわいい、似合ってる」


「なにと間違えたの!?今すごいこと言ったよね…!?」



ぜったい本音と建前が逆になっちゃったやつだ…。

クラッと脳が揺れてしまいそうになる。


顔も熱いし身体も熱い。

ぜんぶが熱くて熱くて、それなのに幸せ。



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