光を掴んだその先に。─After story─
「じゃあ俺たちの出会いにかんぱ~~いっ!!」
「あはは、なにそれ~」
「かんぱ~~いっ」
ヤバいヤバいヤバいヤバい……。
来てしまった……。
とうとう来てしまった……!!
だって「用事が…」と言いかけただけで瞳孔バリバリ開かせて、「あ”?」なんて言われたら誰だって無理でしょ…。
「あれ?真ん中の子、具合わるいの?かお真っ青だけど」
「…あの、ちょっといろいろ辛くて、帰らせていただ───…なんでもないです問題ないです、はい、」
テーブル下にて肘の攻撃。
両隣からぐいぐいつつかれたことにより、無事に帰宅は破棄となった。
こいつら……目が本気だ。
本気と書いてマジなのだ。
「へぇ~、絃ちゃんっていうんだ。かわいい名前だね」
「…ど、どうも」
ファミレスなんていつぶりだろう…。
天鬼に引き取られてからぜんぜん来てなかった。
たまに会食とか宴会とかあって、豪華な食事が出されて。
でもそれは大人たちばかりとだったから。
明莉と優花と来たのも久しぶりな気がする。
「よかったら連絡先交換しない?」
「……スマホ持ってなくて」
「うっそ!面白いね、絃ちゃんって」
合コンなんか初めてだ。
それに常に周りにイケメンがいる生活だったから、免疫力がついてる。
この人も周りの学生に比べたら格好いいほうだと思うけど…。
絃織や陽太とは比べ物にならないという現実ここにあり。