光を掴んだその先に。─After story─
「ねぇヤバくない?なにあれ芸能人?」
「イケメンっ!声かけてみよーよ!」
「あんたが行ってきてよねー」
ヒソヒソ、ざわざわ。
賑やかさが散らばっていた周りの女の子たちはなぜか統一感を発揮させている。
それはドリンクを追加してこようと、ドリンクバーへ向かおうとしていたときだった。
「………え。」
そこには相変わらずスーツ姿の黒髪イケメンと、花柄刺繍黒シャツのゆるふわパーマイケメンの姿が。
見慣れた2人に思わずごしごし目を擦った……が。
「…っ!!!!」
すぐにテーブルへ戻った。
「ちょ、あんたなにしてんのっ、」
声を出したらバレる。
そして注目を浴びたらもっとバレる。
だから即席で気配を無くす方法なんか、テーブル下にガタガタと隠れることしか。
「えっ、てかあれイケメン執事じゃない!?」
「うそ!なんでこんなファミレスに!?」
わーー!!もう大きな声出さないでって!!
これは死活問題なのに!!
明日からの生活が…いや、今日からの生活がかかっているのに!!
「あっれー、君たちって絃ちゃんの友達じゃん。やっほー」
「こんにちはっ!どうしてここに!?」
「ちょーっと仕事でね。絃ちゃんは一緒じゃないの?」
いないって言ってぇぇっ!!
空気読んでぇぇっ!!
私たち小学生から一緒でしょ!?
以心伝心だよね!?!?
なんて、視線で訴えた。