光を掴んだその先に。─After story─
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「……ん…」
カーテンの隙間から射し込むキラキラ輝く光、チュンチュンと外から聞こえる小鳥のさえずり。
パチパチと瞬きをさせて数十秒。
右隣には抱き締めるように目を閉じる格好いい人。
「おわっ…!え、えっ、」
昨日、あれからどうなった……?
「記憶が……ない…」
甘い甘い時間が途中で切れていた。
でも服はちゃんと着ていて、下着もちゃんと付いている。
一応は無事……だった…?
「…はよ」
「おっ、おはよう…っ」
ぐっと引き寄せられて、ポンポンと後頭部を撫でるように優しく叩いてくれる。
大人だ…こういうところがすっごく大人…。
それに昔の記憶も思い出すそんな動きは、恥ずかしさよりも落ち着く気持ちのほうが大きかった。
「…悪い、昨日は歯止めが効かなかった」
「えと、その…あれから…、」
「無事に気ぃ失った。…まだ何もしてねえから安心しろ」
ぜんぜん無事じゃなかった……。
だってあんなの耐えられるほうがどうかしてる。
本当に大丈夫かな、私…。
「それと、当分ポニーテールはやめとけよ」
「え…?」
「…それこそおやっさんに殺される」
窓ガラスに反射する首筋には無数の赤い印。
花びらが落ちたように、ポツポツ色づいていて。
そんな沈黙を破ったのは珍しくも私ではなかった。
「…アイス食うか」
「うん…。あっ、確か昨日のカレーも残ってる…」
「ならカレーのあとのデザートだな」
「うんっ!」