光を掴んだその先に。─After story─
「なっ、ななななっ、なんっ、えっ、なんで!?!?」
「絃ちゃんよ。俺を誰だと思ってるんだい」
「……天才ハッカー」
「正解っ」なんて、パチンと星マーク付きのウインクが送られた。
「それと絃ちゃんの親友も追加ね」
うん、そうだね。
……と、口をパクパクさせて伝えた。
やはり侮れない……。
天道 陽太だけは今後もいろいろと見透かしてきそうだ。
「絃織さんも隅に置けないんだから、まったく」
うわぁぁぁっ!もういろいろバレてる…!!
穴があったら埋まりたい思いの中、私たちが立つ道場にコツンコツンとヒールの足音が響いた。
「ん?ずいぶんと美人なお客さんだ。おねーさん、どちら様?」
「ただの通りすがりだ。どうぞ続けてくれ」
陽太が気づいた先、入り口付近に寄りかかるように立つパンツスーツ姿の女。
綺麗な長い黒髪を靡かせて、キリッと鋭い眼差しを向けて、凛とした声で。
ふっと笑うクールビューティーなこの人は───…
「あーーーっ!!あっ、あのっ!!私、いつぞやかに助けてもらってっ!!」
「え、なに、知り合い?意外と顔広いよねぇ」
千春さんだ、ぜったい間違えない。
私の憧れの人…。
思わず駆け出していた。
「…あぁ、あのときの子か。まさかここの娘さんだなんて驚いた」
「天鬼 絃です…!!よろしくお願いします!!」
できれば陽太ではなく、本当は彼女に弟子入りしたいくらいだった。
でもまさかこんなところでまた会えるなんて。
神様っ!!ありがとう神様…!!