光を掴んだその先に。─After story─
この感じはいつもと違う。
今までと、どこか違う。
それだけは分かった。
「いと…、」
「ゃ…ぁ…っ、」
唇は耳へと渡って首筋へ降りてきて、ちゅっ、ちゅっと音を微かに立たせながら味わうように。
そこに舌が加わって、器用に身体をとろけさせてゆく。
「まって…っ、」
確実にそれは獲物を仕留めた雄だ。
下着、可愛くない…。
今日の下着は本当に適当だった。
布製の水玉模様で、こんなの24歳の男の人には到底見せられるものじゃない…。
「だめ…だよ…っ、絃織っ、」
だって買ったもん私。
頑張って、買った。
見せたい下着はちゃんと用意してた。
それはつまり勝負下着ってヤツで、それを陽太に見られるという失態をしてしまって…。
そんな中で「は…っ」と、甘く熱い彼の吐息が漏れた。
「…絃、───……抱きたい。」
時間が止まった。
それは何だっけ?って、なった。
えっと、抱くっていうのは、抱きしめるってこと…?
ぎゅって、いつもみたいにぎゅーって……。
「っ、…だ、め、」
まだ外は明るいから。
それに私、近々面接があるから。
それをしちゃったら面接どうこうじゃなくなる。
それに……まだ何も解決してない。
「っ、ひゃ…っ!」
服の中に手が入ってきた。
そのまたキャミソールの下、お腹をスーっとなぞって背中に回って。
「だめっ、全然、ないよっ!絃織が思ってるほどないの…っ!」
「…ないって、なにが」
「ぜん、ぶっ…!」
ホックがパチンと外された。
本当にないの、私。
もうぜんぶが。
私は何もないって知ったんだよ。