内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
「そうですね。ですがオープンしてからもなにかとお世話にはなるかと思います。これからもよろしくお願いします」
穏やかに大雅が言う。だがその彼の傍に立つ奈々美の存在が気になって、祐奈は彼をまともに見ることができなかった。
「もちろんです。こちらこそよろしくお願いします」
そう応える田原の隣でうつむいた。
「ですが、一応今日で彼女はこの件から外れることになっておりまして、完全に案内所勤務に戻ります」
田原が、祐奈について説明をした。
その話自体は、祐奈から大雅に直接伝えてあるが、彼ははじめて聞いたような素振りで頷いて口を開いた。
「そうなんですね。秋月さん、お世話になりました。ですが案内所にいらっしゃるならまたお会いすることもあるでしょう。なにより、ホテルがオープンしたらうちのお客さまをたくさん案内していただくことになる。これからもどうぞ、よろしくお願いします」
そんな言葉とともに、差し出される手を、祐奈は一瞬躊躇したのち、恐る恐る取る。
握手を交わすふたりを、奈々美が刺すような視線で、見つめている。
「……こちらこそありがとうございました」
「それでは、私たちはこれで」
大雅の言葉を合図に、天沢ホテル側の人間が部屋を出てゆく。
その一番後ろ、ハイヒールを鳴らしてついてゆく奈々美が一瞬、チラリと振り返りその視線が祐奈を捕らえる。
背筋に走るぞわりとした感覚に、祐奈はカバンを持つ手に力を入れた。
あのアパートに、彼女が現れた時とまったく同じ感覚だった。
自分が置かれている状況が、わからなくて気持ちが悪い。
穏やかに大雅が言う。だがその彼の傍に立つ奈々美の存在が気になって、祐奈は彼をまともに見ることができなかった。
「もちろんです。こちらこそよろしくお願いします」
そう応える田原の隣でうつむいた。
「ですが、一応今日で彼女はこの件から外れることになっておりまして、完全に案内所勤務に戻ります」
田原が、祐奈について説明をした。
その話自体は、祐奈から大雅に直接伝えてあるが、彼ははじめて聞いたような素振りで頷いて口を開いた。
「そうなんですね。秋月さん、お世話になりました。ですが案内所にいらっしゃるならまたお会いすることもあるでしょう。なにより、ホテルがオープンしたらうちのお客さまをたくさん案内していただくことになる。これからもどうぞ、よろしくお願いします」
そんな言葉とともに、差し出される手を、祐奈は一瞬躊躇したのち、恐る恐る取る。
握手を交わすふたりを、奈々美が刺すような視線で、見つめている。
「……こちらこそありがとうございました」
「それでは、私たちはこれで」
大雅の言葉を合図に、天沢ホテル側の人間が部屋を出てゆく。
その一番後ろ、ハイヒールを鳴らしてついてゆく奈々美が一瞬、チラリと振り返りその視線が祐奈を捕らえる。
背筋に走るぞわりとした感覚に、祐奈はカバンを持つ手に力を入れた。
あのアパートに、彼女が現れた時とまったく同じ感覚だった。
自分が置かれている状況が、わからなくて気持ちが悪い。