内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
大雅は今度は彼女にもわかるように、あからさまにため息をついて眉を寄せた。
「だからプライベートの方で予定があるんだ」
天沢ホテル本社の社員は基本的には土日休み。だが役員はそうはいかなかった。もともとホテル業自体が土曜日曜が稼ぎ時なのだから、当然といえば当然だ。
だから大雅は普段は平日に休みを入れることが多かった。
そして明日の金曜日は、一週間ぶりの休みだった。
一方で、少し強い口調で答えた大雅に、奈々美は怯んだように唇を噛む。そして残念そうに肩を落とした。
「うちで夕食でもどうかって父が言うものですから……」
わりと頻繁にあるこのような彼女からの誘いに、大雅は一度も頷いたことはない。
それなのに、よくもまあ何度も何度もというのが素直な感想だった。
だがビジネスの相手でもある頭取の名前を出されては、あまり無下にもできないところが厄介だった。
「頭取にはせっかくのお誘いを……申し訳ないと伝えて」
大雅が言うと、奈々美はしぶしぶ頷いてから、口をつぼめて首を傾げた。
「ちなみにそのプライベートの予定の内容をお伺いしてもよろしいですか? 副社長。秘書室としましてはプライベートであってもどこにいらっしゃるのかくらいは把握しておきたいのです」
秘書としての顔に戻り尋ねる奈々美に、大雅は心の中で舌打ちをした。
大雅のことをなんでも把握しておきたいこの知りたがり屋には、正直言って辟易としている。秘書室にいるとはいえ、大雅にお茶を入れるくらいのことしかしていないのだから、社会勉強はもう終わりにしてささっさと出ていってもらいたいくらいだった。
だが一度引き受けた以上、彼女に明確な落ち度がない限り、それは無理な話だ。
「だからプライベートの方で予定があるんだ」
天沢ホテル本社の社員は基本的には土日休み。だが役員はそうはいかなかった。もともとホテル業自体が土曜日曜が稼ぎ時なのだから、当然といえば当然だ。
だから大雅は普段は平日に休みを入れることが多かった。
そして明日の金曜日は、一週間ぶりの休みだった。
一方で、少し強い口調で答えた大雅に、奈々美は怯んだように唇を噛む。そして残念そうに肩を落とした。
「うちで夕食でもどうかって父が言うものですから……」
わりと頻繁にあるこのような彼女からの誘いに、大雅は一度も頷いたことはない。
それなのに、よくもまあ何度も何度もというのが素直な感想だった。
だがビジネスの相手でもある頭取の名前を出されては、あまり無下にもできないところが厄介だった。
「頭取にはせっかくのお誘いを……申し訳ないと伝えて」
大雅が言うと、奈々美はしぶしぶ頷いてから、口をつぼめて首を傾げた。
「ちなみにそのプライベートの予定の内容をお伺いしてもよろしいですか? 副社長。秘書室としましてはプライベートであってもどこにいらっしゃるのかくらいは把握しておきたいのです」
秘書としての顔に戻り尋ねる奈々美に、大雅は心の中で舌打ちをした。
大雅のことをなんでも把握しておきたいこの知りたがり屋には、正直言って辟易としている。秘書室にいるとはいえ、大雅にお茶を入れるくらいのことしかしていないのだから、社会勉強はもう終わりにしてささっさと出ていってもらいたいくらいだった。
だが一度引き受けた以上、彼女に明確な落ち度がない限り、それは無理な話だ。