内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 大和が生まれてから祐奈は一度も泊まりがけでどこかへ行ったことはない。だから具体的になにが必要なのかを、すべて思い浮かべられるわけではないけれど、普段の大和の生活を考えると相当たくさんになるはずだ。
 やっぱり大雅は育児の大変さを全然わかっていないと思う。
 必要なものを全部買ったりなんかしたらお金がいくらあっても足りないに違いない。
 でももうその気になってしまった彼にはなにを言っても無駄のようだ。
「だからそれを全部買ってやるって言ってるんだよ。もちろん祐奈に必要な物も。このホテルはショッピングモールに繋がってるから、揃わない物なんてないからな、行こう! 今すぐ」
 そう言って大雅は素早く自分も出かける準備をする。
 そして大和を腕に抱いたまま、玄関のドアを開けて、祐奈の方を振り返った。
「ほら早く!」
 腕の中の大和が、同じように振り返って、早くというように祐奈を見ている。
 こうして見ると、本当にそっくりだ。
 祐奈は思わず吹き出して、くすくす笑いながら頷いた。
「はいはい」

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