私はサラリーマン。(短編/気紛れ連載)
「はあ…。」


憂鬱だ…。




「行って来るよ。」




「行ってらっしゃいッ!早く帰って来てね?」




そう言って口付けを交わす夫婦。



爽やかな夫に、若々しくてナイスバディな妻。



私と同い年なのか?本当に。



ふさふさになびく程良い長さの黒髪。





そよそよと揺らめく後少しで地肌が見えそうな黒髪。




──……フッ、今猛烈に若い頃、キチンとシャンプーを洗い流さなかった自分を憎めて来たよ。




「おッ、偶然ですなぁ。おはようございます。」




「はは…、本当に偶然ですね。おはようございます。」




爽やかな彼は、大手建築会社の専務取締役。



私…?さっき言ったでしょ。此所では言わないよ。
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