冷酷無慈悲な騎士団長様は、純粋でとびきり甘い転生者!?

「アストリア姫!」

 私は、窓を開けて、汗で輝くダズ様を見下ろした。
「ダズ様」
「解釈違いです!」

 荒い息を整えながら馬を下り、門番に任せながら宮殿に入ってくる。
 うん。かいしゃくちがい、とは?
 ノックと共に入ってきた彼は、大きな箱を持っていた。

「貴方は、上品で清楚な姿が似合います」
 真っ赤になりながら私に差し出してきたのは、装飾の美しいシミーズ。レースをふんだんに使った最高級な品物だ。
「これは、ダズさまが選んで下さったの?」
「……はい」
 耳まで真っ赤になって。
 本当に、私を誘拐した男爵一族を抹殺し、自身も血で染め上げた、あの冷酷な騎士団長なのだろうか。
 私に卑猥な姿になってほしくなくて、この短時間でこんな最高級な品物を贈ってくるなんて。

「ダズさま。女性にかのようなものを贈ってくる意味を分かってますの?」
「意味ですか?」

 冷酷無慈悲な男が、きょとんと首を傾げる。

「私が脱がせたいって意味ですのよね?」
 微笑みながら受け取ると、その瞬間、火薬の入った銃器のように、彼の頭が爆発した。
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