冷酷無慈悲な騎士団長様は、純粋でとびきり甘い転生者!?
素直にダズはベッドの前まで歩み寄り、片膝をついて傅く。
その夜、私は未来の旦那になる相手だった、甲斐性なし最低くそ野郎の頭に、思いっきり扇を叩きつけた。
毒で死ぬのではなく、脳髄を破壊するつもりで叩きつけた。
それと同時に、外で大きな流れ星が流れ、国民は皆で空を見上げた。
「……今度は、まっとうな人間に生きなさい」
そして今度こそ私に、皇族として政略結婚を全うさせてほしい。
彼が頭から倒れ込み、大きな尻がまるで顔のように立っている。
起きてこないので、これで死んだのだろうと判断し、廊下をノックする。
「誰か。リントロットを此処へ」
ハーベス・キイス・リントロット卿。
私の乳母の子であり、幼少の頃から護衛として使えてくれていた幼馴染み。
この騎士団長のせいで、護衛から外れたが、次期宰相。彼ならば、この事件に力になってくれるはず。
もう一度、ドアをノックずるが、廊下には人の気配がない。
初夜とは言え、普通はドアの前に護衛がいるのが当たり前でしょ。
何をしているのだろうか。
「う……っ」