身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
柊吾の視線の先を見ると、今日は行かないはずのイタリア料理店が現れ、車は店の前に静かに止まった。

「……どうして?」

目を丸くする凛音の隣りで、柊吾はしてやったりという表情を浮かべた。

「あれが今日から俺たちが住む家だ」

柊吾が運転席から指差したのは、イタリア料理店に隣接している三階建の立派な建物。

以前食事を終えた後、柊吾がひどく気にかけていたマンションだった。
 
「この間凛音をあの店に連れて来たのは、このマンションを気に入るかどうか反応が見たかったからなんだ」
 
今日からふたりの新居だと言って柊吾が凛音を案内したのは三階に二部屋あるうちの南側。

趣のある白い外壁同様、内装も高級感溢れる仕様となっていた。

間取りはメゾネットタイプの四LDKで、全体は白でまとめられどの部屋も広い。

リビングからベランダに続く窓はとても大きく、晴れた日のリビングは明るく気持ちが良さそうだ。

今柊吾が住んでいるマンションもかなりの高級物件だが、ここはそれ以上だ。

一階ロビーのセキュリティは厳重で、もちろん警備員やコンシェルジュは常駐。



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