身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
うれしい反面モヤモヤしてすっきりしない。 

柊吾はふっと表情を緩め、凛音の質問を思い返すように口を開いた。

「北海道の仕事はスケジュールを前倒しして終えてるから大丈夫だ。それと、小高さんとの食事だよな。例のSNSにアップされた写真は……」

淡々と話していた柊吾の声がそこで途切れた。

戸惑いの表情を浮かべる凛音の頬を柊吾の手が包み込む。

ふたりの目が合いじっと見つめ合った。

「……俺が他の女と結婚するとでも思ったのか? そんなわけないだろう……って説明は後回しだ。今は凛音を味わいたい」

柊吾は熱情を浮かべた眼差しを凛音に向け、唇を奪った。

「んっ……」

凛音の口から吐息が漏れる。

一週間ぶりに交わすキスは少し照れくさくて、触れ合うだけの軽いキスを何度か繰り返した。

唇を重ねるだけで凛音の心に温もりが広がり柊吾をどれだけ好きなのかを思い知らされる。

柊吾から離れられると思った自分はなにもわかっていなかったのだ。

凛音は柊吾にきつくしがみつき、自分から舌を差し出し深いキスを求めた。

「凛音……っ」




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