身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
凛音が柊吾と言葉を交わすようになったのは、瑞生の秘書になってすぐの頃だ。

社長就任直後の瑞生を気にかけた柊吾が社長室に顔を出したときに紹介されたのがきっかけだ。

凛音は部屋に入ってきた柊吾の顔を見た途端動きを止め、高鳴る鼓動に息を詰めた。

そしてそれは、柊吾に会いたい一心でハギモリビールに就職した凛音の夢が叶った瞬間だった。

『若すぎる社長のご機嫌伺いに来てやったぞ。その椅子に座る姿も様になってきたな』

瑞生をからかう柊吾をひたすら見つめ続ける凛音に気づいた瑞生はその反応を面白がり「柊吾がもてるのは知ってるけど、岡崎さんも柊吾のファンなのか?」とクスクス笑っていた。

『違うんです……』



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