身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「声を出していいぞ。気持ちいいんだろ?」
 
キスの合間に問いかけられ、凛音は力なく首を横に振った。

「そんなこと……ない」

そう口にした瞬間、それまで胸を刺激していた柊吾の手が意志を持ったように下に降りていく。

その先に待ち受ける快感を想像し、凛音の下腹部は強く疼いた。

「そんな色っぽい顔をしておいて、いつも嘘が下手だな。だったら素直にさせるまでだ」
 
柊吾は湯の中に隠れている凛音の敏感な場所に指を這わせる。

凛音が最も弱い一点を的確に動く指に迷いはなく凛音の名前をささやきながら一気に攻め立てた。

「あ……んっ」
 
すでに何度も抱かれ柊吾の好みに作り上げられた体だ。

容赦なく送られる刺激と快感に抗えず、凛音は湯の中に膝立ちの姿で体をのけぞらし、あっという間に達した。

「柊吾……さんっ」

脱力した凛音は湯の中にくずおれそうになり、柊吾にしがみついた。

そして柊吾の肩に顎を乗せ、荒い呼吸を繰り返す。


「ど、どうして……?」
 
凛音は上がった息を整えながら横目で柊吾を見た。

変わらず凛音の体の芯に触れ続ける柊吾の手が気になって仕方がない。


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