身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
モンブランよりも苺ムース
柊吾に初めて抱かれてから一年が過ぎ、凛音は柊吾の自宅にもようやく慣れてきた。
初めて連れて来られた日のうちにカード型のスペアキーを渡され、マンションへの出入りに必要な顔認証登録まで完了した。
そのセキュリティレベルの高さに呆然とする中、凛音はコンシェルジュに紹介された。
『彼女もこれからお世話になります。なにかあれば気にかけてやってください』
柊吾からロマンスグレーを体現し制服がよく似合う男性の前に押し出されたとき、別世界に足を踏み入れたようだと目を白黒させた。
別世界なのは三十階にある柊吾の2LDKの自宅も同様で、内装も家具も高級感に溢れている。
もちろん夜景の素晴らしさは言うまでもない。
広々とした室内はハウスクリーニングが週に二度入るのでいつも清潔だ。
おまけにタイマー予約されたお掃除ロボットが走るので凛音はその日使ったところを簡単に掃除する程度だ。
スーツやワイシャツも馴染みのクリーニング店から週末引き取りに来てもらい、仕上がり後はコンシェルジュが部屋まで届けてくれる。
それ以外の洗濯も最新の洗濯乾燥機があるのでとくに手はかからない。