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でも、いつもその見た目のギャップのおかしさはすぐに消える。

何でかって…?

ほら、始まった―・・・

武の指先から零れ落ちるピアノの音色はホントにキレイ。
いつも涙が出てきそうになるくらい。

優しくて
あったかくて
誰かに抱きしめてもらってるような感覚に陥る…

あ、この曲。
EXILEのTi Amo…
あたしの好きな曲ベスト10に入る。

歌詞を思い出すと、なんだか急に貴也さんのことが頭に浮かんだ。
けど、その姿は浮かんでは消えて…心臓がキュゥッ…と、締め付けられた。
やだ、こんなこと考えんの…やめよう…

必死で何か違うことを考えようとしていたら、
あ、そういえば…
いつかのドキュメンタリーでピアノを弾いているホスト見た!!
武、顔もジャニーズみたいな甘い顔立ちしてるし、女の子好きだし。
ホスト向いてるじゃん!!
あたしも1回くらい行ってみたかったし?勧めてみようかなっ?

なんて、浅はかな考えで言った一言が、この後自分自身を。
そして、武の心を傷つけることになるなんて…あたしは思いもしなかったんだ―…

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