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夕方のI駅は会社帰りのサラリーマンとか学校帰りの中高生でごった返していている。

案の定、写メ交換もしていないあたしには誰が貴也さんだかわからなくて。

「貴也さーん…」

約束の時間はとうに30分は過ぎていてすっぽかされたのかと思った。
駅のベンチに座って携帯を握り締めていると、あたしの手の中で携帯が震えた。

着信は“遠藤貴也”。

「もしもし…」

…やっぱり会えないって言われるのかなあ。
そんな不安があたしの胸をよぎる。

「倫、今どこ?どれが倫だかわかんない!」

「え?」

…あたしの勘違いでなければ。
あたしの目の前にいる人は、もしかして…

「駅にしなきゃよかったな、まさかこんなに混んでるとは思わなくてさ。で、今どこ?」

「多分、貴也さんのうしろ…?」

てか、この人に間違いないはず!

「うしろ、うしろって…えぇ?!」

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