シオン
私の名は「紫苑」。学生だ。彼は「楓」。
正直、最初から気にはなっていた。でも、接点はまったくといっていいほどなかった。
あの時の私は、本当によく頑張ったと思う。
あの日は放課後、本屋に寄り道をしていた。正しくは、お使い。スマホに姉からのショートメールが入っていて、漫画の発売日だから買ってきてというような内容だったからだ。
親につれて一緒に見たアニメ。深夜放送だったから、ネットで見た。
知ってる人はあまりいないと思っていた。そんなアニメが小説にあると思わなかった。どちらが先か、それはどちらでもいいけれど。
本屋に入り、その漫画を探していると彼がいた。そのアニメの小説を手に取っていた。
思わず私は「あ。」と声を出してしまった。彼は気付かなかったかもしれないが、私は話しかける。
「それ、小説でも面白い?」と。私の声を聞いてこっちを見た彼と目が合って、思わず緊張した。
彼は「面白いよ」と言って笑った。「へぇ。」と、そっけなく返してしまったのは少しもったいないことをしたと思っている。
猫になるとかおかしいと思っている。そんな病気なんて聞いたこともないし。発覚したのは最近のこと。思い出したくもない。
正直、最初から気にはなっていた。でも、接点はまったくといっていいほどなかった。
あの時の私は、本当によく頑張ったと思う。
あの日は放課後、本屋に寄り道をしていた。正しくは、お使い。スマホに姉からのショートメールが入っていて、漫画の発売日だから買ってきてというような内容だったからだ。
親につれて一緒に見たアニメ。深夜放送だったから、ネットで見た。
知ってる人はあまりいないと思っていた。そんなアニメが小説にあると思わなかった。どちらが先か、それはどちらでもいいけれど。
本屋に入り、その漫画を探していると彼がいた。そのアニメの小説を手に取っていた。
思わず私は「あ。」と声を出してしまった。彼は気付かなかったかもしれないが、私は話しかける。
「それ、小説でも面白い?」と。私の声を聞いてこっちを見た彼と目が合って、思わず緊張した。
彼は「面白いよ」と言って笑った。「へぇ。」と、そっけなく返してしまったのは少しもったいないことをしたと思っている。
猫になるとかおかしいと思っている。そんな病気なんて聞いたこともないし。発覚したのは最近のこと。思い出したくもない。