カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
「なるほどね」
雪乃さんは気だるそうに言う。
「つまりダメ出しがほしかったってわけね」
言われてドキッとした。
「そうでは」
ないと言い切れなかった。
だって雪乃さんが「まだまだね」と言ってくれたら、写真に対する嫉妬というか、悔しい気持ちが無くなっただろうから。
「あとこの女性の表情も。作られたものだと言ってほしかったのよね」
これも否定ができなかった。
「咲ちゃんの彼とこの女性が恋人だったって知ってショックを受けたんでしょ?知り合いだから余計に」
「…はい」
嘘はつけない。
頷くと雪乃さんは眉根を寄せて微笑んだ。
「まぁ、気持ちはわからなくはないわ。でも」