カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
「服部の写真を見て、咲に対抗できると考えた女性はいないよ。それくらい俺が咲を見つめる視線は他の誰に向けるものと違う特別なものだってことだ」
そこまで言うと月城さんは私に手を伸ばした。
「おいで」
引かれるがまま、月城さんの方に体を寄せるとクルッと反転させられて後ろからすっぽり包まれるように抱きしめられた。
「これはこれで恥ずかしいんですけど」
「普段はもっと恥ずかしいことしてるだろ?」
耳元で囁く声がバスルームに反響して普段よりも色っぽく聞こえる。
ゆっくり浸かれるようにと少しぬるめのお湯にしたのに、のぼせそうだ。
「あの…私もう」
出ようと思って声を掛けた。
にも関わらず、月城さんの手が胸元に伸びてきた。
「あっ…」
思わず声が漏れてしまう。
恥ずかしくて口元覆うと月城さんの手が私の手を口元から外した。
「声、聞かせて」
恥ずかしいと首を横に振る。
「聞きたい」
月城さんは甘く囁くと後ろから首、首筋、背中に唇を這わしていく。
「ん…あ、やだ」
いつも以上に敏感になっていることに気づき、止めてもらうよう振り向く。
でも振り向いた瞬間、唇が奪われてしまった。
「待って」
「待てない」
月城さんはそう言うと私の体を浴槽の縁に乗せ、胸からお腹、それから足にキスをする。
「体がおかしくなりそう」
吐息混じりに言うと月城さんは私の体を抱き上げて浴槽から上がるとバスローブだけ着せてそのまま寝室へ向かい、優しく、時に激しく愛してくれた。