カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました

「和津兄も咲ちゃんの笑顔見て何とも思わないのかな?」

奏音さんの呟きに、ふと月城さんとのやりとりを思い返してみた。

でも笑顔を見せる余裕などなかったと首を横に振る。

「そもそも月城さんは公私混同なさらないんだと思いますよ」
「そうかな?」
「きっとそうですよ。あ、それより」

この話は終わりにしようと話題を変える。

「週末のレストランのオープン記念、奏音さんも参加されますよね?」

奏音さんも一緒なら仕事とはいえ少しは楽しめる、と思って確認がてら聞いてみたのだけど来週末は仕事が入っていて参加できないらしい。

「残念です…って、なにニヤニヤしているんですか?」

奏音さんのニヤケ顔を指摘するとさらに奏音さんはご機嫌に微笑む。

「公私混同するじゃない!」
「え?」
「だってそのお店、仕事とは無関係の和津兄のお友達が始めるお店だもの」

仕事と関係ないだなんて。
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