カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
「それにしてもすごい荷物だな。それはワイン?シャンパン?」
開店祝いに月城さんの名前でお花は手配したけど、手ぶらというわけには行かないと先ほど買ってきた。
「シャンパンです」
左手に持っている袋に視線を向けると、月城さんは反対側の方に視線を向けた。
「そっちは?カメラか?」
「はい」
仕事と無関係な場で私に出来ることと言えばこれくらいだと思って持ってきた。
「プロを呼んでいたらやめますが」
「それはないだろうから喜ぶよ」
月城さんの言葉に安堵する。
やることがなかったらなにをして過ごそうか不安だったのだ。
「持とうか?」
「いえ。大丈夫です」
勝手に持参したものを上司に持たせるわけにはいかないと断った。
でも月城さんは私の手からさりげなく荷物を取り、持ってくれた。