カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
「ふたりが並んでると絵になるんです」
そうだろうか、と疑問に思い、黙っていると服部くんは月城さんの隣に腰掛けるように指示してきた。
月城さんを意識している今、距離を縮めるのには抵抗があったけど、服部くんの前で不自然に距離をあけたら勘繰られてしまう。
余計な詮索は無用だ。
だから素直に指示に従うと服部くんはカメラを構え、シャッターを切り始めた。
「ちょっと待って!今、写す必要ある?!」
止めるもシャッター音は途切れない。
「いいから。ちゃんと座って。笑って…は無理か。でもいいよ」
服部くんはそう言うとカメラから目を離し、今撮った写真を見せてくれた。
「美男美女であることは周知の事実。身長差、体型、やっぱり俺の理想系だ」
「でも」
月城さんは断るだろうと様子を伺うように見ると、月城さんは画面に映し出された映像を見ながら答える。
「俺は構わないよ」
「本気ですか?!」
あまりに驚いて大きな声が出てしまった。
月城さんにジッと見られて慌てて口元を押さえる。
「加藤は自分に自信がないからな〜」
服部くんが間に入った。
「断るとしたら加藤の方だと思ってた。モデル、それも月城さんの相手っていうのが引け目を感じて嫌なんだろ?」