カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
でもなんだったのだろうと私は首を捻る。

「大丈夫ですか?」

不安で聞いても月城さんは大丈夫だと頷き、それから花束を持ったので、私も月城さんの手に添えるようにして花束を持つ。

「顔、もう少し近付けますか?」

服部くんの指示が飛んだ。
でもこれ以上近づいたらそれこそ唇が触れてしまいそうで。

「加藤〜、仰け反るな〜」

そう言われても恥ずかしくてドキドキして耐えられない。
ギュッと目をつぶり、少しだけ身を乗り出すとようやくOKの声が聞こえた。

「これ、心臓もたないよ」

月城さんから離れ、花束を渡しがてら服部くんにボソッと言うと「ハハ」と笑われた。

「多分、月城さんも同じじゃないかな?」
「え?」
「いい写真が撮れそうだ!」

服部くんは意気揚々と袖を捲り、次なる場所へと移動する。
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