カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました

「服部くん。これはもういいかな?」

恥ずかしくて耐えられそうにない。
画像を確認していた服部くんに聞くと、親指を立ててOKをくれた。

「残すのも悪いから」

月城さんの言う通りだと、服部くんも交えて休憩がてら3人でお弁当をいただくことにする。

「ピクニックみたいだね」

思ったことをそのまま口にすると、服部くんは私と月城さんを交互に見て言う。

「俺的にはめちゃくちゃ楽しいけど、ふたりは俺のことお邪魔だな、って思っているでしょう?」
「そんなことないよ。ですよね?」

月城さんに同意を求める。

「まぁ、そうだな。正直、邪魔だな」
「何言っているんですか?!」

声を荒げると服部くんが笑った。

「ハハ。やっぱり」
「やっぱりってなに?!やっぱりって?!」
「そのままだよ。でも撮影はしっかりとしたいから。もう少しお邪魔させてください」

真剣な顔して頭を下げた服部くんを見て、月城さんが微笑んだ。

「きみは真面目だな。人のことをよく見ているし明るい。きっと人気のフォトグラファーになるよ」
「そうですか?嬉しいな、そんな風に言ってもらえて」

満足そうな服部くんの笑顔が私と月城さんをも笑顔にする。

「それで?あとはどんなシーンを撮るの?」

この後の撮影に前向きになり聞くと、服部くんは手書きのシーン割りを見せてくれた。
月城さんにも見えるように一緒に確認する。
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