カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
「いや、モデル業ではないよ。取材を受けた時に撮られる程度の話だから。でもこんなに楽しい撮影は初めてだ」
月城さんがこちらを見た。
服部くんもこちらを見る。
「配役ばっちりでしたね!なんなら結婚式の写真もお任せくださいっ」
敬礼のポーズをして胸を張る服部くんの姿がなんだかおかしくて、プッと吹き出してしまう。
「あ、なに笑ってるんだよ。加藤、お前自身のことだぞ?」
「え?私?」
話の矛先が自分に向いて、意味がわからず月城さんと服部くんを交互に見る。
「これは大変だ。ま、頑張ってください」
服部くんは月城さんにそう言い残し、次の撮影場所の確認に行って来ると言って席を外した。