カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました

「ん?どうした?今の写真、見たいのか?」

服部くんはカメラで画像を確認していた。
違うけど、とりあえず頷くと、服部くんは今撮ったばかりのシーンを見せてくれた。

「綺麗だろ?」

聞かれて頷く。
唇は触れていないけど月城さんが顔を寄せているので触れているように見える。

「おかげで映画の一場面みたいな写真が撮れたよ」

服部くんの方を見ると、満足そうな表情をしていた。

「お役に立てて良かった」
「ありがとう。加藤に頼んで良かった」

服部くんは私の頭に手を伸ばし、軽く撫でた。

「月城さんも」

少し離れた場所で電話をしている月城さんに服部くんが呼びかける。

「本当にありがとうございました」

電話の邪魔にならないように口パクで伝え、ガバッと頭を下げた服部くんに月城さんは笑顔を見せた。

「あの笑顔、男の俺でも惚れそう」

服部くんはそう呟くと私を横目で見てニカっと笑った。
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