カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
「どうかなさいましたか?」
「気になっていたんだが」
月城さんはそう前置くと私と画面を見比べながら言った。
「服部ときみの関係はなんなんだ?」
「服部くんは高校の同級生で、私がカメラを始めるきっかけをくれた友達です」
大学は違ったから入社式で再会したときにはお互いにすごく驚いた。
「だからあんなに慣れ親しんだ様子だったのか」
月城さんは私が男慣れしていない割に服部くんとは普通に接しているのが解せなかったらしい。
そういえば服部くんも私のことを男慣れしていないと言っていた。
「そうだよ!そうですよね?!」
私は前のめりに言う。
「私、男慣れしてなさそうに見えますよね?!」
と言ったものの、唐突な話に月城さんは怪訝そうな顔をしている。
その表情を見て慌てて画面の方を向いた。
でも月城さんは見逃さない。
「やはり何か言われたんだな?」
その問いに唇を少し噛むと、それが肯定だと月城さんは察してくれて、私の体を椅子ごと月城さんの方に向けた。
「言いたくなければ言わなくて構わない」
握りしめていた手がそっと包み込まれた。
「だがきみが傷ついた姿を見るのは嫌なんだ。力になれることがあるならなりたい」
「ありがとうございます」
月城さんの気持ちが嬉しくて微笑んで見せるも口元は引き攣ってしまう。
月城さんは困ったように眉根を寄せた。