カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました

「しらすに…くらげ?変わったメニューが多いな」
「私は塩ミルクにします」

即決すると月城さんは驚いた顔でこちらを見た。

「これだけのメニューがあって悩まないのか?すごいな」
「アハハ。褒められるようなことじゃないですよ。月城さんのも私が決めてあげましょうか〜?」

からかうようにして言うと悩んだ末に生チョコを選んだ。

「月城さんは冒険しないんですね」

意外だという意味を含めて聞くと月城さんはメニューに目を向けた。

「あっちにしておけばよかった、とは思いたくないんだ。ほら、すでに美味そうだろう?」

月城さんは店員さんが差し出したチョコレート色のソフトクリームを見つめている。

「溶けちゃいますよ」

急かすと月城さんはソフトクリームを頬張った。

「塩ミルクお待たせしました」

店員さんに声をかけられ、私も食べる。

「んー!冷たくて甘しょっぱくて美味しい!」
「ひと口食べても?」

聞かれて月城さんの口元に差し出すとパクッと食べた。

「ん。たしかに美味いな。チョコも食べるか?」

言われて頷くと生チョコのソフトクリームが差し出された。

「なんか恥ずかしいですね」

急に人目が気になり食べるに至らない。
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