カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました

「それで?」

服部くんが前菜を食べながら話を振ってきた。

「加藤もフォトグラファー目指すって、具体的にはどうするの?俺と同じ事務所に登録する?」
「それね、色々考えてみたんだけど」

事務所などでカメラアシスタントとして技術を身につけ、実績を積み、独立するか、SNSを使って作品を拡散することでプロのフォトグラファーとしてデビューするか、商業写真を扱うような写真事務所に就職してプロとして通用する技術を身につけてから独立するか。
調べてみると方法は色々あった。
その中で良いな、と思ったのが事務所に所属し、アシスタントとして働きながら技術を学ぶこと。
専門の学校を出ているわけではない独学だから、一度きちんとした知識を得たいと思った。
それにアシスタントとして働くうちに、人脈を広げることが可能だと知り、プロから直接技術の指導を受けられ、撮影現場で技を学べる場があるのならそこが最適だと思った。

「同時にコンテストとかにも応募してね。知名度も広めていきたいと思っているの。ただ募集している事務所が少なくて」
「そういうことなら知り合いのスタジオに声かけてあげようか?」

首を傾げると服部くんはスマートフォンでフォトスタジオのホームページを開いて見せてくれた。

「スタジオでの撮影がメインだけど」


成人式、ブライダルフォト、お子様、ファミリーフォトなどが書かれている。

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