僕の彼女はヤンデレです
「それ、おかしくない!?」
「おかしいかな?」
「だって、私にとって陸が傍に居てくれる事に意味が有るの!!陸は自分の時間を私に費やしてくれるでしよ!!給料は、それのお礼なんだよ!!」

ずるい。

そう言われたら納得せざる負えない。

俺に、そんな価値が有るのかは置いといて悪い気はしない。

「う、うん。
じゃあ、さ。事務の仕事教えてよ!!
俺、頑張るから……」

ミチルは悩んだ表情を浮かべ、コクリと頷いた。

ミチルのお父さんには悪い事をした感じがするから、会い辛い。

それでも、働きたい。

この日も、ミチルと身体を重ねた後に腕まくらをする。

ずっと、俺に擦り寄ってくるミチルは可愛いが、その異常性に気付かない訳じゃない。

ミチルは狂っている。

それでも、ミチルを愛してしまっている俺の負けだ。

大丈夫。

きっと、ミチルも分かってくれる時が来ると自分に言い聞かせた。

「陸ー!」

甘い声で俺の名前を呼ぶミチルを抱き締めながら、【沼】にハマっていく感覚を感じる。

底の無い深い沼。

「どうした?」
「私には陸だけだから、居なくならないでね……」

普通の女の子なら、俺が居なくなる事に怯えたりしない。

でも、ミチルの世界では俺が突然消えてしまうのが普通なのだろうか。



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