僕の彼女はヤンデレです
無茶苦茶な話なのに、信じ切った表情を見せるミチルが愛おしい。

俺の言葉を信じてもらって嬉しい__


「本当に見たよ」
「なんて、言っていた!?」
「喋ってはいない……。
ただ、ミチルの後ろで幸せそうに笑っていたんんだよ。
きっと、ミチルと一緒に料理をしている気分にでもなっていたんじゃないかな?」


そう、言葉にした瞬間高級感の有る線香の香りが漂った。


「あれ、線香の匂いがする!」
「本当だねえ!!」
「きっと、ミチルのおばぁちゃんが来てるんだよ!!」


部屋の中を見渡したミチルが突然叫び出す。


「おばぁちゃん……。居るの!?
居るなら出て来てよ。勿論、怖くなんて無いからさ……」


ミチルの目には涙が溜まり、畳に零れ落ちる。


自分が言ったらイケナイ事を言った気分になりながら、ミチルを宥めた。


「ミチル。
おばあちゃんは姿を見せたらいけないんだよ!!」
「なんでよ!!」
「見せたら罰を受けてしまうから」


適当な言葉を口にしている自分が嫌になる。


ミチルにとっての、祖母の死を癒せない自分が嫌になる。


「そっかあ。おばあちゃんが、罰を受けるのは嫌だから我慢しなきゃね……」
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