僕の彼女はヤンデレです
相変わらず親父はゲームに夢中だ。

まあ、働いているから良いのかも知れないが、子供の時は寂しかったっけ……

親父には何も言わないで家を出る。

しかし、ゲームに夢中で俺が家に帰って来た事にも気付かない様子だ。

こんな時、自分がなんの為に産まれてきたのか考えてしまう。

なんだか、切なくなってしまう。

荷物を持ってミチルの車に乗り込む。

正直、誰も自分の事なんて気付かないと思っていた。

なのに。

「陸……。元気ないね?何かあった?」
「ん?大丈夫だよ……」

気付いてくれた。

「そっかぁ!あのね……」
「ん?」
「私は陸が居なきゃ駄目なんだ……。だから、ずっと一緒に居てね……」

必要とされている感に溺れてしまいそうだ。

正直、今まで誰かに必要とされた覚えなんてゲームの世界でくらいだ。

でも、これはリアル!!

「勿論!俺もずっとミチルと一緒に居たいんだ!て、幸せだな!」
「私も幸せ……。
ずっと、ずっと、一緒だよ……」

誰かに必要とされる。
それが、こんなに心地よいなんて知らなかった。

ミチルが居なくなったら。

そう考えるだけでゾッとするくらい、ミチルが必要になっている。

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