僕の彼女はヤンデレです
「じゃあ、なんで飲むの?」
「お酒の味は嫌いだけど、嫌な事忘れられるから……」

そう言ったミチルの瞳は寂しそうだ。

「ミチルは今まで頑張って来たんだな」
「えっ?」
「辛い事。いっぱいあったと思うけど、これからは俺が守るから……」

イジメ。
祖父母の死。
色々有ったんだと思う。

ミチル俺の手を握りながら、静かに泣いていた。

「ねえ……」
「ん?」
「ちょっと、公園寄っていかない?」

お酒を飲みながらミチルが指指したのは、夜の公園。

草木が多い茂って、ブランコは老朽化しているし、不気味。

でも、ミチルが行きたいなら付き合いたい。

「いいよ!!」

そう言うと、子供のように喜びながらブランコに座ったミチル。

何故か、お酒の一気飲みを始めた。

「ちょっと、ミチル!飲み過ぎ!!」
「だって、酔っ払わないと緊張するんだもん……」

確かに、まだミチルの声は緊張の色が含まれている。

「ミチルって酔っ払ったらどうなるの?」
「うーん!明るくなるよ……。
多分だけど、緊張しなくなる!!」

一度酔っ払って俺と話したら、次から緊張しなくなるのだろうか。

早く、素のままのミチルを見たい。
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