僕の彼女はヤンデレです
仕事が終わり帰り道。

「あのさ……」
「はい?」
「RAINの相手はミチルか?」

バレバレだよな……

「まあ、そんな所ですね!!」
「あー!ミチルの彼氏か!!
じゃあ、ミチルにちょっとお金を分けろと伝えといて!!」

冗談っぽくそう呟いた。

て!!

「娘さんに彼氏が俺でも大丈夫なんですか!」
「ああ!変な男じゃ無ければ良い!!」

俺にはこの人が悪い人だなんて、思えない。

会社に帰り着くと、昨日は出迎えてくれたミチルの姿が見当たらない。

それを寂しく思いながら、後片付けをした。

「ミチルの奴遅いな!!」
「ちょっと、事務所に行ってみましょうか?」
「そうだな……」

工場の隅っこにちょこんと有る事務所に向かうと、ヒステリックな声が聞こえる。

「貴方はお母さんの子供じゃない癖に!!」
「あー、アイツが来たか……」
「アイツって?」
「俺の妹……」

そう言う、ミチルの父親の表情は険しい。

「アイツ、ミチルに辛く当たるんだよ。
まあ、仕方ないけど……」
「仕方ないって!!」

当たられているのを、仕方ないで済まされたら堪らない。

直ぐに、ミチルの元に急ぐと性格の悪そうなオバサンが奇声を発している。

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