僕の彼女はヤンデレです
もしかしたら、キャラクターに対してヤキモチを焼いているのか。

有り得ない。

でも、考えられる事はそのくらいだ。

それ以外の時は機嫌が良かったから。

ミチルの部屋の前に向かうと扉をノックする。

「な……に!?」
「あのさ。もしかしたらフィギュアの事で怒ってるのかな?」
「……」

ビンゴだと思う。

「俺、ミチルが1番大切だからフィギュア売ろっか!!」
「そんな無理しなくていい!!」
「無理なんてしていないよ……」

ゆっくりと扉が開くと、ミチルが顔を覗かせた。

「私より、フィギュアが好きなんだよね……?」
「それは、無い!
なんなら、売っても構わない!」
「じゃあ、捨てても良い?」

そう言う、ミチルの声は恐ろしい程に冷静だ。

なんだか、フィギュアが可愛いそうだが一番大切なのはミチルだから。

「いいよ」
「なら、捨てるね……」

それだけ言うと、フィギュアをゴミ箱に入れたミチル。

「悲しくない?」
「別に……」

正直、悲しい。

でも、そんな内心を知られてしまったらミチルに嫌われてしまうだろう。

「そう、なら。お風呂にでも入ろ!」

そう言うと、ミチルはお湯を沸かしに向かった。
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