僕の彼女はヤンデレです
「うん!頑張ってみるよ……」
「ああ、ゆっくりで!」

ミチルの汗ばんだ額に唇を落とすと、幸せそうな表情で近くに寄ってきた。

「陸が居ると安心する……」
「俺も、ミチルと一緒に居ると安心するよ!」
「本当!?」

そう口にしたミチルの目はキラキラしている。

俺は、ミチルに必要とされると心の底から安心する。

きっと、誰かから必要とされたかった訳でミチルも同じ気持ちなのかも知れない。

そんな事を考えながら、ミチルをキツく抱き締めた。

「俺、ミチルが居ないとダメだもん……」
「陸可愛い……」
「居なくならないでね」
「うん……。私はずっと陸の傍にいるよ」

その言葉で安心出来る。

「俺も、ずっとミチルの傍に居る」
「2人とも一緒だね」

そう言って、クスクス笑うミチルの笑顔に癒される。

「うん!」
「私、今が一番幸せ……。
今まで祖父母以外に必要とされた事なんて無かったから、このままひとりぼっちになるんだろうな……って、思っていたの……」
「ミチルをひとりぼっちになんてしないよ」

上目遣いでこちらを見ている、ミチルの瞳に涙が浮かんだ。

「本当に?」
「うん!」
「ああ。陸には学生時代に会いたかったなぁ……」
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