37℃のグラビティ
二人並んで、線香花火。
小さな閃光の音だけが流れる中、ポツリとこぼれた。
「夏休み、もうすぐ終わっちゃうね……」
会えない時には、早く終わればいいと思っていたのに……
新海と一緒にいたら、終わって行く夏が、とても寂しく思えた。
「なぁ、勝負しようぜ?」
いきなり言い出した新海が、線香花火を一本差し出し、それを受け取りながら訊く。
「勝負って?」
「負けた方が、勝った方のいう事をひとつ聞く」
「いいよ。じゃあ、勝負」
同時に火をつけた線香花火は、それぞれに大きな赤い火の玉を作った。
アタシの手に持たれた線香花火は、まだ激しく花を咲かせている途中も途中……
気まぐれに吹いた風に揺られ、火の玉がポトリ……とコンクリートの地面に落ちた。
小さな閃光の音だけが流れる中、ポツリとこぼれた。
「夏休み、もうすぐ終わっちゃうね……」
会えない時には、早く終わればいいと思っていたのに……
新海と一緒にいたら、終わって行く夏が、とても寂しく思えた。
「なぁ、勝負しようぜ?」
いきなり言い出した新海が、線香花火を一本差し出し、それを受け取りながら訊く。
「勝負って?」
「負けた方が、勝った方のいう事をひとつ聞く」
「いいよ。じゃあ、勝負」
同時に火をつけた線香花火は、それぞれに大きな赤い火の玉を作った。
アタシの手に持たれた線香花火は、まだ激しく花を咲かせている途中も途中……
気まぐれに吹いた風に揺られ、火の玉がポトリ……とコンクリートの地面に落ちた。