37℃のグラビティ
「あっ……」


「俺の勝ち」


憎たらしいくらい得意気に口端をあげ、新海は含み笑いをする。


その意地悪な眼差しにまで、心が吸い込まれそうで……


アタシは恥ずかしさに、視線を逸らして訊いた。


「アタシは何をすればいいの?」


新海は何も答えず、サイドにわざと少しだけ垂らしていたアタシの髪を……


指で弄ぶ様に触れた。


いきなり訪れた想定外のシチュエーション。


アタシは新海の顔すら見れなくて……


そのまま完全フリーズ状態。


「キスしていい?」


新海の甘い囁きにの後……


不意打ち極まりないフレンチキスが……


アタシの唇を掠めた。


「『いい』って、まだ答えてない……」


微かなアタシの抵抗に、艶めかしい瞳と口元で、新海が薄く笑む。
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