37℃のグラビティ
「答える権利、今のお前にないんだけど?」


「じゃあ『いい?』なんて……訊かないでよ……」


「訊かずにキスして、拒否られるのも嫌じゃん?」


「それは……そうかもしれないけど……」


「今のは状況判断って事で。もう一回、ちゃんとしていい?」


「言う事聞くのはひとつだけって……んっ」


アタシは言葉の途中で、頭を後ろから強く新海に引き寄せられた。


言葉とはまるで裏腹……


拒否する事無く、それを受け入れたアタシは……


眩暈(めまい)が起こりそうなほど感じてしまう新海のキスに……


身も心も翻弄されていた。


このまま時間が止まればいい……


止まればいいのに……
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