37℃のグラビティ
冷たく突き刺さる様な目で、新海がアタシを見ている。


一瞬、(ひる)みかけた気持ちは、振り子みたいな反動で、アタシを強気にさせた。


「もう無意味な事やめたら?」


「お前に関係ねぇだろ」


「関係ないなら、もうアタシに関わらないで」


「友達になってくれって言ったの誰だよ」


「撤回する。だから……んっ」


新海がアタシの唇をキスで塞いで……


それに激しく抵抗して、渾身の力で突き飛ばす。


すると新海は、ほんの一瞬、自嘲気味に薄く笑って、そのまま足早に屋上を出て行った。
< 116 / 251 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop