37℃のグラビティ
episode1:LOVE SONG?
こんな憂鬱な朝を迎えた事は、今までなかった。


せめて新海と席が隣同士じゃなかったら……


今より少しだけ、気は楽だったかもしれない。


それでもいつもの様に登校した学校。


新海が教室にやって来たのは、1時間目の現国が終わった後だった。


新海の席に集まってくる女子達が、アタシと新海の間に垣根を作る。


その陰に隠れて見えなくなった新海に、ちょっとだけほっとしたのも束の間……


授業が始まるタイミングで、垣根はすっかり取り払われてしまった。


新海に視線を向ける事が、怖くてとても出来ない。


どうしても気になる新海の姿を瞳の端っこで気にしながら……


アタシは真っ直ぐ前を向き、授業に没頭するフリをしていた。
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