37℃のグラビティ
心にぽっかり穴が開いたまま過ぎて行くアタシの日々は……


新海と一切会話をしなくなって、もうすぐ二ヶ月が経とうとしていた。


学校からの帰り道、クリスマスの装いを始めた街並みが、アタシの瞳に映る。


もうすぐクリスマスかぁ……


しみじみ心で呟きながら思う。


クリスマス・イヴは……


新海の誕生日。


『ハッピーバースデー♪』


ふと、アタシの誕生日を祝ってくれた新海が思い出された。


アタシはいったいどんなお返しをしたらいいんだろう……?


新海に拒絶される事が怖くて、目を合わす事も、話しかける事も、あの日以来、しなかったけど……


こんな口実でもなかったら、アタシはもう二度と自分から、新海に話しかける事は出来ないんじゃないかって……


そんな風に思えた。
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