37℃のグラビティ
新海が誰かと噂になれば、あっという間に学校中に広まるのに……


今回の北川さんの一件は、いっこうに広がりをみせない。


もちろん、アタシは誰にも言ってないし、言うつもりもないけど。


それがやっぱり、以前の新海とはどこか違う……とアタシに確信させた。


このまま冬休みに突入して、どんどん新海との距離は離れていってしまうんだろうって思ってた。


そんなアタシの想像通り、何事もなくやって来た冬休み。


自室の机に置いてある卓上カレンダーをぼんやり見つめて……


明日の日付についていたハナマル印の上から、大きくバッテンを書いた。


明日はクリスマス・イヴで……そう、新海の誕生日。


何かお祝いを……と思っていた気持ちは、アタシの自己満足だと考え直して、何もせずにおこうと決めた。
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