37℃のグラビティ
そして辿り着いた一階。
「開」のボタンを押したアタシの横をすり抜けて行く新海の背中に、思わず声をかけた。
「誕生日……おめでとう」
もちろんシカトは覚悟済み。
なのに……
エントランスを歩いていた新海は、足を止めてアタシに振り返った。
でもその顔は、無表情。
「わざわざどうも」
新海は棒読みの様なアクセントで言い、冷たい眼差しのまま、口端だけをあげた。
「メリークリスマス。よいお年を」
イベント言葉を並べて、一切抑揚のない口調で言う。
そしてまた歩き出そうとした新海の背中に叫んだ。
「新海くん! アタシっ……」
自分でも何を言おうとしているのか、何を言いたいのかもわからないまま……
頭で考えるより先に言葉がこぼれ、足を止めた新海が振り返る。
「開」のボタンを押したアタシの横をすり抜けて行く新海の背中に、思わず声をかけた。
「誕生日……おめでとう」
もちろんシカトは覚悟済み。
なのに……
エントランスを歩いていた新海は、足を止めてアタシに振り返った。
でもその顔は、無表情。
「わざわざどうも」
新海は棒読みの様なアクセントで言い、冷たい眼差しのまま、口端だけをあげた。
「メリークリスマス。よいお年を」
イベント言葉を並べて、一切抑揚のない口調で言う。
そしてまた歩き出そうとした新海の背中に叫んだ。
「新海くん! アタシっ……」
自分でも何を言おうとしているのか、何を言いたいのかもわからないまま……
頭で考えるより先に言葉がこぼれ、足を止めた新海が振り返る。